rememberのゆめにっき

現実のことも書くが

部屋を抽象的に模様替え

境弌は有り体に言えば、具体性のあるものが嫌いだった。具体性のあるものとは具体的なもののことであり、それは例えばスタッドレスタイヤ、草刈り機、突っ張り棒、傾いたテーブルの脚に噛ませた厚紙、蛍光灯、トイレ掃除用のバケツ、滑り止め付き軍手、キン…

或るイメージの描写

境弌の家の敷地内には、いや敷地外にもだが、林があった。森と形容するには半端な広さと樹木の数だった。裏庭のそれは特にそうなのだが、繁茂した木々は年百年中日光をブロックしていて、どんなに快晴であってもその林の中は陰気だった。奥の方に進めばワラ…

未だ魂の底で燃え続ける緑色の炎

視界に在る壁や床のその真っ白さからは、保健室や病院、福祉施設といった、「医療」に関するものを想起させた。そこに、故河合隼雄先生が現れたものだから、俺はここを心理関係の病院だと判断した。 そこに2人の外人が現れて、俺に診察を依頼した(というこ…

女性のフォームで3ポイント

10枚以上の畳が敷かれていてそこは道場のようだった。明かりは点いていないようでまるで雷雲が立ち込めた日の日中のように薄暗かった。 その部屋の壁にはバスケットボールのゴールが掛けられていた。そこに俺が行っている学校の生徒のYさんが現れフリースロ…

かまいたちにでもやられたかのように

電車の中。多くの人が席に座っていたが、それらのほとんどは老人であった。俺はその老人たちを見て、以前福祉関係の施設で働いていたことを思い出した。 電車は緩やかなカーブを描きながら進行している。しかし前に向かって走っているのか後ろに向かって走っ…

本棚に抽象画を飾る

いくつかの判断材料から俺は今図書館にいるのだと結論付けた。くすんだオレンジのカーペットとベージュの壁が見える。空気に微塵も対流を感じず、人の手が加わったもののように感じたが、それはあくまでも人々にこの場を快適に過ごしてもらうための調節だっ…

そのゲームはロマンシング・サガ3といった

7/25 ネットで注文した本が三冊、届く。 ・ゼロからトースターを作ってみた結果/トーマス・トウェイツ ・ファーブル昆虫記4 攻撃するカマキリ/奥本大三郎 ・娘の味 残るは食欲/阿川佐和子 バイトに行く。俺が行っているコンビニの系列は結構業務には厳し…

3時間で100円とは安い

床、天井、壁、デスク、それらは全て、事務処理以外のことを考えさせない為に作られたような、飾り気の無いグレー。その空間の片隅に、何者かに案内されるように俺は移動する。その職場の制服であろうものを着た、俺と同じくらいの年齢の女性がデスクに座っ…

水没した街を泳ぐ

【七月二十日】 これは昨日の話になるので、一旦昨日に戻ります。 【七月十九日】 本を買った後、その本屋の近場の公園に行って、車の中で買った本を少し読んだ。車の窓をすべて全開にする。よく晴れていたが何故かそんなに暑くない。何ものにも属していない…

アルバイトの研修

【七月十七日】 レジカウンターの内側にいる。なぜそうなのだと分かるかというと、以前俺は中古の商品であれば何でも扱うかのようなリサイクルショップでアルバイトをしていたことがあり、そこのレジカウンターの中の光景とよく似ていたからだ。カウンター全…

星野源みたいな感じでお願いします

【七月十四日】 朝の九時頃バイト先の社長から、(自分の)体調が悪いから出勤してほしい、との電話があった。俺はこういう急な話は嫌なのだが、今日は特に予定もないので出勤することにした。大腿部が筋肉痛になっていた。 今日も二つのホールを周った。一…

蟷螂が本を投げつけてきた

【七月十三日】 以前のバイト先から来てほしいと要請があったので出勤する。 バイト先のことを説明する。葬儀屋の仕事なのだが、直接遺体を扱ったりはしない。葬式の時には飾るものが色々あり、そのうちの「花環」と「盛籠」を俺たちは扱っている。部門で言…

尊敬するミュージシャンと一緒にトイレに入る

【七月十二日】 イオンに行って飲食店に入る。店内・店外との境目に、オレンジとピンクを混ぜたような色合いの四角形のオブジェクトの仕切りがあり、イメージに偏重した判断だがここは中華系の店だと思った。俺一人で四人掛けの席に着く。テーブルの色は黒だ…

「死」という文字を「死」という文字で

【七月十一日】 タンドリーチキンをオーブンで焼く。電子レンジをオーブンとして使ったのは初めてである。これからも活用して料理の幅を広げていこう。 十人の殺人者へのインタビューの本、読了する。一人目は面白かったが、その最初の一人で本の全体像・パ…

鳥を捕まえたら羽が枯れて死んでしまった

【七月九日】 檻のような鉄柵が見える。緑色のフカフカしたカーペットが敷いてあって、自分はそこに胎児のように丸くなって寝ている。このカーペットは俺の部屋の、L字型のデスクの下に敷いてあるものと同一のもののように思われた。そしてそのL字型のデス…

ウツボ

【七月七日】 整体の学校まで自転車で行く。 俺は青のリュックサックを背負っていた。その中には白衣とジャージとタオル、学校の教科書、財布、スマートフォン、自転車の鍵などが入っていた。 リュックサックは、肩に掛ける部分の長さがベルトで調節できるタ…

車の助手席に逆向きに座る刑事、あとカレー

【七月五日】 ハローワークにパートの求人を探しに行く。俺はカレーが好きなのでどこかのカレー料理店で募集をしていないものかと、検索条件の職種を「給仕・接客」にしてパソコンで調べた。出てきたのは、ゴルフ場のレストラン、ラーメン店、居酒屋、日本料…

精神科に行く

【七月四日】 縦が1、横が2の長さの長方形を想像してほしい。その四つの線は一つの空間を形成する壁を表していて、要するに俺の部屋の見取り図だと思ってほしい。下辺の右三分の一は部屋の入り口に当たる部分になる。 見取り図を見て左下の隅に、その見取…

うんうんうん

【七月三日】 バイト先の店長に電話をする。 「もしもし」 「もしもし? さっきはゴメンね! ちょうどFCの会議中だったからさあ~。最近連絡してなかったから、今日連絡しようと思ってたところなんだけど」 「あの、前に僕、風邪を引いたって言ってバイト…

マンタとぶり大根

【七月二日】 あれはマンタという生き物なのだろうか。昔やったテレビゲーム、あるいは何かの際に訪れた水族館で見たことがある。大変平べったくゆらゆらと海中を漂っている、妙に愛着がわくあの生き物。どういう意図であのような形状にデザインされたのか。…

漆黒の彼の、一撃

【七月一日】 暗闇の中……窓の網戸越しに見える木の葉、俺が仰臥しているベッドの縁、メタルラックのポールなどが月の光に照らされて、ほとんどが漆黒に包まれている中それらのものが深い紺色となって浮かび上がり、わずかながら俺は視認することができる。海…