rememberのゆめにっき

文筆の訓練のようなもの

車の助手席に逆向きに座る刑事、あとカレー

【七月五日】

 ハローワークにパートの求人を探しに行く。俺はカレーが好きなのでどこかのカレー料理店で募集をしていないものかと、検索条件の職種を「給仕・接客」にしてパソコンで調べた。出てきたのは、ゴルフ場のレストラン、ラーメン店、居酒屋、日本料理店、ホテル、葬祭場、結婚式場などで、カレー屋は一つも見当たらなかった。カレー屋…俺が想像しているのはインドカレー屋なのだが、インドカレー屋で働くにはどうしたらいいのだろうか。

 帰宅後、家の近場にできるコンビニの面接の応募をする。四日後に行うことになった。

 

 

 

 俺はコンビニで働いている。まだオープンしたての店で、スタッフは自分を含めて皆初心者で、仕事の要領を得ず店内をせわしなく動いている。あ、レジに誰も人がいないじゃないか。俺はレジの中に入る。その後、スーツを着た威厳のある、刑事のような中年男性がレジ前に現れ、商品を購入したくそれをレジ上に置いた。商品はカレーだった。俺は、温めるのに四分ほどかかってしまいます、と若干畏怖の念を覚えながら男性に伝えた。男性は少し不服そうな顔をして、コンビニの外に出て行った。俺は、車の中で待っているのだな、と直覚した。

 カレーがレンジで充分に温まった(熱いくらいである)。俺は表面のラップをはがし、ベージュ色のプラスチックの蓋を開け、その蓋と同じ色のプラスチックのスプーンの先端をルーの中にいれ、店外で待つ男性のもとへ届けに行った。駐車場の一角に黒い車があり、助手席のドアが開いていた。その助手席に男性はいたのだが、通常とは逆向きに座っているというか、つまり普通に座れば下肢が収まるであろう空間に自分の臀部をスポッと収め、大腿部を自分の胴体の方に曲げ、膝から下の部分を助手席の尻が着く部分に預けていた。なぜそういう態勢をとっているのか俺には計り知れないが、とりあえず男性にカレーを届けた。男性は表情には出さなかったが、どこか満足げな雰囲気を醸し出した。多分これでよかったのだろう。

 

 

 

 エスニック風野菜炒めを作った。

〈材料〉

豚肉、エビ、パクチー、パプリカ(赤)、玉ねぎ、青唐辛子、ピーマン、ニンニク、ショウガ、岩塩、ホワイトペッパー、ブラックペッパー、砂糖、ナンプラー、XO醤、レモン。

 エビは殻を剥いてせわた(背にある黒い筋のようなもの)を楊枝で取り除く。そのエビと豚肉をボウルに入れて、XO醤をつけてよく手でもみこむ。

 ニンニクとショウガはみじん切りにして、材料を鍋で炒める際最初に入れようと思っていたのだが、思い付きで先ほどの豚肉とエビが入ったボウルに入れて一緒くたにした。この方が合理的だ。別にいいだろ。

 パクチーもみじん切りにする。これは最後に使う。

 野菜類をすべて適当な大きさに切り、ザルにいれてまとめて水で洗う。レモンは三分の一程度にカットし、後で絞りやすいよう果実の部分にナイフで切れ目を入れておく。

 中華鍋にサラダ油を入れ熱し、豚肉とエビを投入する。それに充分火が通ったら野菜類を投入する。今回の野菜はすべて硬さが同じくらいなので一度に全部入れてしまう。炒めながらXO醤以外の調味料を適当に入れる。すべてに火が通ったら皿に移し、みじん切りにしたパクチーを上に乗せレモンを絞る。了。