rememberのゆめにっき

文筆の訓練のようなもの

そのゲームはロマンシング・サガ3といった

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7/25 

 ネットで注文した本が三冊、届く。

・ゼロからトースターを作ってみた結果/トーマス・トウェイツ

・ファーブル昆虫記4 攻撃するカマキリ/奥本大三郎

・娘の味 残るは食欲/阿川佐和子

 

 バイトに行く。俺が行っているコンビニの系列は結構業務には厳しい方だと思う。挨拶は若干体育会系の勢いがあるし、出勤のタイムカードも時間厳守で打たなければならない。賞味期限が切れて廃棄しなければならない食べ物を頂くことも厳禁である。ただそれはしっかりしている、という意味でもあり、現にオープニングセールの時本部や他店舗から手伝いに来てくれた人たちは皆すごいまともというか、しっかりしていたと思う。仕事も丁寧に教えてくれたし。

 前のバイト先はゆるゆるだったな。正社員の人でも仕事がなければ退勤時間の三十分前にはあがってたし。まあ零細企業だったからな。

 バイトに行く前、多店舗のコンビニで和風のミニカレー丼を買って食べる。これはカツオの出汁が効いているのかな。というかあれだ、カレーうどんのカレーの味だ。

 

7/26

 だめだ、今日は何もしていない。書くことがない。本を読んで、部屋の片づけをして、多店舗のコンビニで海鮮焼きそばを買って食べ、バイトに行っただけだ。

 

7/27

 畳が敷き詰められた二十畳ほどの部屋。薄暗い。そこに規則正しく並べられた数十人分の座布団と、それらに呼応する茶色いローテーブルがあった。ローテーブルの上には何かしらの料理が並べられてあった。いつの間にかその宴会用に設けられた部屋に数十人の人が出現していた。俺は、この人達は俺の親戚にあたる人達だろう、と思った(しかしながら何故俺はそう思ったのだろう。そう思うだけの判断材料がその人達に付随していたはずなのだ。そう思うからにはそれ相応の理由があるはずなのだ。でも今の俺にはそれがわからない)。そしてその部屋のフロント、学校の教室で言えば黒板がある所を指しているわけだが、そこには白い人工的な膜が垂れ下げられていた。これはプロジェクターだ。なるほど、ここは和風に拵えた視聴覚室と言ったところか。ああだから薄暗くなっているのはそれでいいのか。

 俺は白膜の正面に立ってそれ相応の機械を駆使し、何かの映像を映し出そうとした。その時数人の人間が俺の周囲にいて、ああきっとこの人達は俺の作業を手伝ってくれているのだな、と俺は直覚したのだが、その人達はしゅらしゅらっと忍者のように何かの障害物に隠れていた。俺の分身だろうか。

 やがて映像が膜に映し出された。元の映像に白いフィルターをかけたかのような色合いだった。……これは俺が昔遊んでいたテレビゲームだ。自由度の高いロールプレイングゲームで、中学生の時分熱中していた。映し出されている映像の内容はというと、プレイヤーが操作する主人公はある魔族を倒さなければならない。その魔族は空を舞っている。魔族は強大である。それとは別に人間を襲う、これまた強大な竜がいる。主人公は竜に、魔族を倒すことに協力してくれないか、と交渉する。竜は最初断った。竜はかつて人間に裏切られたことがあって、だから竜は人間を襲っていた。しかし竜は、魔族が我が物顔で空を舞っているのが気に食わないという気持ちもあった。竜は主人公と協力し魔族と空中戦を交える、という、ゲーム中で人気のあるこのゲームのハイライトともいえるシーンだった。

 映像は終わった。室内は明かりを取り戻して、観賞していた俺の親戚だと思われる人々はゆっくりとした動作で席を立ち、部屋から退出しようとした。誰一人として言葉を発していなく、退廃的で生命力が欠落しているように感じた。その雰囲気から俺は、その集団の総意というものをしかと受け取った。曰く! つまらない、面白くない。……俺は落胆した。せっかくの俺の映像作品なのに……映像作品だと? 何故自分が遊んだテレビゲームの映像がお前の作品になるのだ。あれはお前が作ったものなのか。違うだろう! お前のオリジナル、お前自身が発したものを人に見せなければ、駄目だろう!

 透明なプラスチックの容器、よく屋台で焼きそばが入れられているような容器だ、その容器に食べ物が入ったものがたくさん、俺の身長ぐらいの高さにまでうず高く積まれていた。百個以上はあると思う。さっきの俺の親戚たちが残していったものだろうか。俺は今からこれを廃棄しなければならない。数人の名前も知らない他人、もしくは知人、あるいは自分たちと共に、ひたすらそれを捨て続ける。

 その数人の人間の中に一人の女性がいた。君は俺の同級生の、俺が取り返しのつかないことをした……

 

 

 

 そういえば昨日バイトで、店頭での販売期限が切れた総菜を廃棄したのだった。廃棄の作業をしている時それらを持ち帰ろうという考えが一瞬頭によぎったが、その行為は店長から固く禁止されていたし、仮に隠密にやろうと試みても監視カメラがあるので難しいし、というかまあ別にそこまで欲しいわけじゃないから別にいいかと思いながらバーコードをスキャンしゴミ箱に弁当を次々に投棄していく、無論絶え間なく来店する客の動向を常に気に掛けながら。掛けながら電子レンジの清掃、清掃掛けながら商品フェイスアップ、フェイスアップとは客が商品を購入することによって生じた商品棚の空白の部分を奥にある商品を手前に持ってくることによって解消することこれにより商品が多くあるように見えます、廃棄の途中だった、それを言ったのはオープニングの時ヘルプに来てくれた多店舗の中年の女性、丁寧に教えてくれたな、レジ点検やっといてな。はい。前出しはラーメンの所な、菓子の所は彼女がやるから。はい。前出しってフェイスアップのことか。店長は前出しというのかそこらへんできれば統一してほしい俺は言葉には敏感だから、そんな俺の内面などいちいち考慮しないのが社会、っていうかそんな拘りを持っているからお前はいつまでたっても社会不適合者なのだ。捨てちまえ。捨てちまえ!

 

 ゴミ箱にゴミ、溜まってるから捨てといてな。それ終わったらあがっていいぞ。

 

 

 

 娘の味 残るは食欲/阿川佐和子 読了。料理を作る際、目的の材料がなければ違うもので代替するという発想が頻出していて、レシピのフレームを屈託なく飛び越えていくその様からこの人はおそらくO型だろうなと予想して調べてみたらやはりその通りだった。文中印象的だったのは、阿川さんが料理の先生からティラミスの作り方を教えてもらうという場面、マスカルポーネチーズというイタリアのクリームチーズを使うのだが、どんな味がするのかと阿川さんはそれを食べてみる。すると阿川さんは、これは冷蔵庫に長く寝かせておいて硬くなってしまった生クリームの味に似ている、と思ったという。そこで阿川さんは先生に、「マスカルポーネチーズは古くなった生クリームで代替可能か」という質問を発した。したところ先生は、「否。何となれば、生クリームはクリーム、マスカルポーネチーズはチーズだからである」と返答した。

 この答えに対して阿川さんは以下のように述懐している。

“その違い、よくわからないけど、とりあえず頷いておく。”

 

フレームワークを厳守する事にさほど重要性は感じないが、周囲の環境がそれを求めていて、とにもかくもそれをしなければ事態が進展しないから仕方ない、といった形で妥協的な姿勢をとっているО型の人は結構いるんじゃないかと想像する。いやそれは血液型関係ないか?

 

この本は阿川さんの料理・食べ物に関するエッセイなのだが、あとがきに記してあった実父との思い出の部分が興味深かった。やはり俺は、「その人は何故、そのようになったのか」ということに関心があるのだ。転じてそれは、「俺は何故、このようになったのか」自問自答になる。

 しかし、その自問自答にも疲れ始めてきている。

 

 この文章はロイヤルホストカシミールカレーなるものを食べながら描いた。ロイヤルホストは雰囲気が落ち着いていて結構好きだ。カレーも美味しかった。カシミールって何の香辛料だっけ、と思って調べてみたらインドのとある地方の名称だった。香辛料……それはカルダモンか。

 

 ブックオフで本を三冊買う。

河合隼雄のカウンセリング入門/河合隼雄

仮面の告白三島由紀夫

・水いらず/サルトル