rememberのゆめにっき

現実のことも書くが

偽のオリジナリティ

 

remember-7.hatenablog.com

  こちらの記事の続きになります。

 

 前回の記事で、私が芸術表現の中で一番影響を受けたのは音楽だということと、自分はその音楽を学びたかったのだが認めてもらえなかった、ということを記しました。

 そういえば元々この一連の記事は、私が絵を描くに至った経緯を記すつもりでした。なので絵の話に戻りましょう。

 

 小学生のころから絵は描いていました。どういう絵かというと、漫画やゲームのイラストの模写ですね。小学生向けの漫画やゲームの説明書、攻略本などに載っているイラストを凝視して、画用紙などに描いていたのです。

 今思うとそれは、絵を描くのが好きという気持ちももちろんあったのですが、どちらかと言えば、その絵をクラスメイトに見せてちやほやされたいという気持ちが強かったかもしれません。自分は絵が得意なのだと、優越感に浸りたかったのですね。そういえば合唱の練習で、歌詞が挟んであるファイルみたいなものを皆持っていたのですが、そのファイルの表紙に自分はとあるゲームのキャラクターを模写したのです。そして立位で発声練習などをするとき、その自分が模写した絵が、隣の女子に見えるように、さりげなく、すっと、床に置くのです……完全に相手からの称賛待ちです。私はこの頃から、自分から長所を売り込むということができなかったのですね。これは今になってもそうです。「あなたの長所は?」……恐ろしい質問です。私はなんて答えればいいのでしょう。私は平均以上の身長を有しているので、高いところにある物が取れます、と答えたらいいのでしょうか。いやこれは冗談ではなく、本当にそれくらいしか浮かびません。その長所を裏付けるだけの実績や根拠があれば言えるのでしょうが、私にはそれが一切空なのです。

 話を絵の方に戻しましょう。学校には美術や図工といった授業があります。絵が得意なら当然これらの授業も好きだったのではないかと思うものですが、私はどうだったのでしょう……好きでもあったし、嫌いでもあったような気がします……どちらかと言えば嫌いだったかもしれません。学校の美術に関するメモリーは、何か苦い味を伴っているのです。

 というのは、あの授業の課題というのは発想力やセンスといったものが試されるのですね。で、そこには本人の先天的なもの大きく関わってくると思うのです。

 私は何か、自分は特別な人間でなければならない、他の人とは違う感性を持っている、才能を持っている人間なのだ、という自意識が働いていて、それに見合うだけの作品を作らなければならない、と思っていたのですよ。それが苦しかった。ありふれたものは描きたくない。凡人ではいたくない。その為には皆から一目置かれるような作品を書かなければ……そういう考えにとらわれていたのです。

 つまり、才能がある人に憧れていたのでしょう。

 多少絵の素養はあるのかもしれない。しかし、絵を描くことに単純に技術だけでない、その人独自の、何か、を求めずにいられなかったのです。それにとらわれていたので、絵を描くことは苦痛でもありました。ただ、描写の技術は平均より上だったので、そこに優越感はあったように思います。

 ちなみに美術の様々な課題の中で、その独自性の問題に自分がどう対処したかと言えば、多くは模倣、でした。当時自分はゲームの雑誌を購読していて、その雑誌にはイラストコーナーが設けられていました。そこに載せられていたイラストから、アイディアや構図、テーマなどを拝借していたのです。そんな雑誌を読んでいるのはおそらく自分だけだろうからばれはしまい。そう思っていました。

 その「模倣」という行為自体は、創作においては何らおかしくない、当然のプロセスのように思います。誰だって最初から自分のスタイルがあるわけではなく、様々な方を模倣して自分の形を作っていく。そんな話はよく聞きます。

 ただ私は、その模倣した、自分自身の発想ではないものを、あたかも自分自身が発したかのようにして、人からの評価を得ようとしていたように思います。それは偽のオリジナリティなのです。模倣している、という自覚に欠けていたように思います。偽でしかないのに、真であることを望んだわけです。

 先生すごいでしょ、それ、俺が描いたんだよ、と。無論口にはせず、相手からの称賛待ちの態度で。

 

 これらの話は中学時代のエピソードです。中学校の生活は今振り返ると、総合的な判断としては、楽しかった、と言えるものだと思います。友達も普通にいて遊んでいましたからね。ただ中二の半ばあたりから勉強についていけなくなりました。進路の希望をかなえてもらえなかったし、それらを鑑みると挫折の季節でもあるのですが、なんだかんだ言っても楽しいと思えるのです。多分それは友達がいたからでしょうね。

 高校に進学した以降、そして現在に至るまでの記憶は、全ての色彩が失われています。友達がいないせいでしょうね。次回はその現在まで続く、空白の時間について記しましょう。

 

 

 比較的最近のものですが、少し自分が描いた絵の紹介をします。

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ネットで画像検索して拾った少女の模写です。プリンターの性能が悪かったようで、少しかすんでいます。

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一枚目の少女と同じ方です。