rememberのゆめにっき

現実のことも書くが

パンダみたいな困り顔

 バイト先のコンビニで、俺は一人の女子高生と同じシフトに入って一緒に働いている。背が160センチもない、キャピッとした感じの子だ。

 結論から言えば、この子は甘えている。何か失敗をしても多めに見てもらおうとする。常に困ったパンダのような顔をしていて、人からフォローされるのを待っている。ケアレスミスを、エヘヘヘ、とか言って許してもらおうとする。それが通用する場面や人もあるだろうが、毅然とした態度をとる職場の方がまともだろう。積極的に仕事をする場面もあるが、それは裏(厨房)に入って備品の補充をしたり、ファーストフードの作り置きをしたりと、マイペースにできる仕事ばかりだったりする。ほとんどの仕事は時間と戦っているわけであり、その戦いにはあまり関わろうとはしない。

 新しい仕事も覚えようとはしない。今日店長から頼まれて、仕方なく雑誌の返品の仕事を教えたのだが、終始例の困り顔で仕事の処理をしており、俺が、次はここをこうしてあれをこれして、とりあえずここまでやってみて、と教えるのだが、その一連の処理を終えた後、俺に、終わったんですけど、という視線を送るだけで、何も報告してこない。シカトしてもいいのだが、店長の指示の手前それもできず、あ、終わった? とわざとらしく彼女に近づき、次の指示を出して……という感じだ。

 まあ、たかがバイトだし、という考えもある。しかし彼女が仮に正社員として何らかの職業で働いたとしても、一人前に仕事ができるかどうかは俺には疑問だ。あれはおそらく、自分の価値観が社会では通じないことに狼狽している。その価値観はおそらく彼女の生まれた環境で培われたもので、彼女自身そのものと言ってもいい。自分はここでやっていけるのだろうか……その不安があの困り顔を作っている。

実は彼女は容姿がそこそこいいので、例の笑って許してもらおうとする処世術が往々にして通用してしまっている。もちろんそれが甘えなのだが、その甘えを粉砕する嫌われ役を、一体誰が担うのだろうか。一応今は店長が毅然とした態度をとっているが……

以前、彼女がオーダーされた軽食を作っていて、それがトロトロした動きで時間がかかっていた。ようやく彼女がそれを作り終え、客に持って行ったときに、例のあの困り顔で、お待たせしちゃって申し訳ありません、エヘヘヘ、みたいな感じで応対したのである。

俺はそれを見て、お客さん……

「遅えんだよ!」

って一喝してくれませんか、と願った。